経営者の皆さんは自社のホームページのアクセス解析データを見たことがありますか?
実は、ホームページのアクセス解析データからは、ホームページを改善するための情報だけではなく、企業全体の経営戦略にも活かせる重要な情報を得ることが可能なのです。
そんな「宝の山」とも言える「アクセス解析データ」を経営者が見ていないなんて、とても「もったいない」ことだと思いませんか?
アクセス解析データはユーザーの心を映す鏡
どんな商売を行うにしても、必ず商品を買ってくれる「お客様」が必要となります。
ビジネスにおいて、いかに「お客様」に商品を買ってもらえるか、商品を買いたいと思わせるか、が一番重要なポイントといえるでしょう。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と言いますが、「お客様」に商品を買ってもらうには「お客様」のことをどれだけ詳細に把握できるかが鍵となってきます。
でもどうしたら「お客様」のことを詳細に把握できるのでしょうか。
アンケートからお客様のことを分析するのはなかなか大変?
お客様のことを把握する手段としてわかりやすいのは「アンケート」ですが、経営の参考になるほどのアンケートを集めるのはとても大変なことです。
わざわざ時間をさいて、あなたの会社の商品について意見を聞かせてくれる「好意的なお客様」はどれだけいるでしょうか?
しかもアンケートは「意識して」自分の意見を書かされるので「お客様」の本音が必ずしも反映されているとはいえません。
ご自身がアンケートを記入するときのことを思い出してみてください。
正直に「まずかった」「ここをこうして欲しい」といった要望を書いたことがあるでしょうか。「よかった」「普通」「まぁまぁ」といった選択肢を選んでお茶を濁す方が多いかと思います。
人間の心理として、相手に読まれることを意識してしまうと、嫌われたくなくて「いい意見」を書いてしまいがちです。
ホームページは「お客様」の心を正直に映し出す
ではホームページを閲覧する場合のことを考えてみましょう。
面白い記事や、自分が欲しい商品を見つけたら、長い時間そのホームページに滞在しますよね。
ホームページを見ているうちに、このページもおもしろそう、こんな情報もあったのか!とついつい1時間以上も時間が過ぎていた、なんてこともよくあります。
でもその行動に嘘はありませんよね。あなたが長時間読むのに夢中になってしまったということは、そのページには「あなたが知りたい情報」があったということですから。
つまり、ホームページを訪れた人がどのように行動したか?が分かれば(アクセス解析)、それが「お客様の知りたいこと」が把握できる、ということなのです。
アクセス解析からわかる、こんなこと
アクセス解析データからは、例えばこんな発見をすることができます。
(1)お客様が知りたがっている情報はこれだ
ホームページには、いろいろな情報がページごとにわかれて配置してありますよね。
そこで
「どのページがたくさん見られているか」
「全然見られていないページは何か」
「じっくり読まれているページはどれか」
が分かれば、お客様に求められている情報やニーズが見えてきます。
(2)新しいニーズの発見
ホームページを作る際には、「こういう商品を求めているユーザーを狙おう」という戦略を建てたはずですよね。
ですが、実際に運営してみると当初の想定とは違うニーズのお客様が訪問してくることも。
「女性向けの化粧品を販売していたが、20代からの男性も美容ケア用品を探してホームページを訪問している」
といった情報もアクセス解析データから発見することができるのです。
ホームページ担当は経営者ではない
多くの企業では、アクセス解析データをチェックするのはホームページ担当者です。
もちろんホームページを改良して売上をあげるために、担当者がアクセス解析を行うのは当然のこと。
ですが、アクセス解析データには「ホームページを改善する」以上の「企業全体の売上をアップ」させるためのヒント(お客様の心)がたくさん隠れています。
このアクセス解析から得られた「お客様の心(ニーズ)」は、新しい商品を開発したり、広告戦略にも活かすことができるはずです。
ですがそのヒントを、ホームページ担当者が気づくことができるでしょうか。
ホームページ担当者は、ホームページ経由での売上をあげるためにアクセス解析を行うため、どうしても視野が狭くなりますし、組織や命令系統の問題で職務から離れた提案をすることをためらってしまうケースもあるでしょう。
一方経営者は、会社全体を把握し、ホームページだけではなく全ての事業を包括した目線でアクセス解析を見ることができますし、そのヒントを活かしてすぐに行動に移す力も持っています。
100%当たる戦略はありません。
ならば分析した結果を実行に移し、またその結果を分析して、即座に改善案を実施する、という流れを短い期間でどんどん繰り返すことが求められます。
だからこそ、経営者がアクセス解析データをじっくり見て、経営のヒントになりそうな情報が隠れていないかを自分の目でチェックしてみましょう。
そこでなにかヒントを発見したら、各事業担当者にそのアイデアを伝えて実行させます。
同時にホームページ上でもそのアピールを行いましょう。
するとまた新しい反応が生まれて、そのアイデアが正解だったのか否かがわかります。
そしてこれをとにかく繰り返すことで、皆様の会社はお客様のニーズを叶える商品を提供できる力をだんだん蓄えていくに違いありません。
ホームページだからといってホームページ経由の売上だけに目を奪われてしまうのではなく、企業全体の戦略に活かす目線を持つと、大幅な売上げアップが期待できるのではないでしょうか。