「インスタってやった方が良いの?」
こちらは企業のHP担当者様や経営者様からよくいただく質問です。
もちろん質問された皆さまも「たぶんやったほうが良い」とは思っているのだけれど、企業として注力するに値するものなのか?を知りたくて質問されているのではないでしょうか。
InstagramやLINEの利用者は年々増加しており、ご自身や家族・友人がこれらのツールを使っているのを見れば、会社でも活用した方が良いのでは?と考えて当然です。
そこで今回は、企業とSNS、とくに2024年時点で主流である「Instagram」と「LINE」、「X(twitter)」「Youtube」について紹介いたします。
検索エンジンの時代からSNSファーストの時代に
約30年ほど前、インターネット利用が一般的になり始めた当初は、ネット上での情報収集は「検索エンジンによる検索」でした。
Yahooなどのディレクトリ型の検索エンジンや、Googleによるロボット型の検索エンジンを利用して、世界中のホームページの中から目的の情報を探すという行動が主流であり、企業とユーザーが出会うポイントは「ホームページ」でした。
検索エンジンによるユーザーと企業の出会いのインパクトはとても大きく、「SEO(検索エンジン最適化)対策」というビジネスが大きく発展することにも繋がりました。
そしてネット利用が一般化していくことにより、ユーザー同士の交流が重視されるようになって登場したのが、「Gree」「mixi」といったSNSです。
SNSの登場は、検索する(情報を探す)という行動にも大きく影響を与えました。
検索エンジンによる情報検索は、「自分で探す」「自分で見つけて価値を判断する」行為であり、ある意味とても面倒くさいのです。せっかく見つけた商品を通販で買ってみたら大ハズレで後悔したことありませんか?
一方でSNSでの情報検索は、「誰かのおすすめ」を発見することができ、当たりを引く可能性がある程度担保されているため、安心するユーザーが多いです。皆さんも通販ショップで口コミ評価が高いと安心して購入を決めるのではないでしょうか。
そのため、2024年現在では、ユーザーはなにか情報を探す際にSNSを利用するという行為が一般的になってきています。
もちろん検索エンジンによる検索も十分インパクトがある程度には利用されていますが、まずはSNSで見かけた情報をさらにくわしく知りたい際に検索エンジンで検索をする、という流れになってきているのではないでしょうか?
その「まず情報収集を行うツール」として、現在主力になっているツールがInstagramでありYoutubeなのです。
SNS系サービスの利用率
総務省による「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」において、各SNS系サービスの利用率の調査結果がまとめています。
LINEの利用状況
LINEの利用率は全世代平均で94.9%、他のツールで利用率が落ちる60代以降でも86.3%の利用率と高いシェアを誇っています。
Youtubeの利用状況
同じくYoutubeも全世代平均で87.8%と、幅広く利用されていることがわかります。
Instagramの利用状況
純粋なSNSツールとして一番利用率が多いのは、Instagramです。50代までの利用率が高く、男性48.8%、女性63.6%と女性の利用者が多いことがわかります。
X(Twitter)の利用状況
X(Twitter)に関しては、50代までの利用、男女ともほぼ半数が利用しています。
tiktokの利用状況
tiktokはメイン層が10代、そして20代までで、それ以降の年代にはあまり利用されていないことがわかります。
各SNSの特性を見極め、自社にあった選択をする
総務省の調査結果から分かる通り、SNSといっても各サービスによって利用者層が大きく異なります。
そのため大雑把に、「企業はInstagramをやるべき!」「企業はLINEを始めるべき!」と決めつけることはできません。
各SNSの特性・特徴を見極め、自社が狙いたいユーザーに効果的にアピールできるツールを選ぶ必要があります。
そこで、ここからは各SNSの特長とおすすめの使い方について解説します。
SNSツールの使い分け①【LINE】自社のファンとの関係性を濃くするためのツール
本記事の冒頭で、ユーザーは情報を探す際の第一ツールとしてSNSを使いはじめているという解説をしました。つまりSNSはまだ出会ったことのない「新規顧客」や「見込み客」を獲得するのに効果的なツールです。
しかし、LINEは新規ユーザーを獲得することには向いていません。
なぜならLINEから情報を受け取るためにユーザーは「友だち追加」をしなければいけないからです。LINEは自分のアカウントを友だち追加してくれた人に情報を届けることができます。何らかの手段でLINEの友だち登録者を増やし、その人たちに向けて情報発信することができるのがLINEです。
これの何がすごいのかといえば、LINEの友だち追加をしてくれた人というのは
「あなたの商品・サービスを買いたい・利用したい」
という意思を持っている人たち(ファン)であり、
そんな彼らとコミュニケーションをとることができる
ということです。
自社の商品を知らない人や何の愛着もない人に商品を買ってもらうことはとても難しいことです。一方ですでに自社の商品を購入したことがあり、それを気に入ってくれた人であれば、また商品を買ってくれる可能性は高いでしょう。
LINEはいわゆる「リピート購入」を増やすために、商品・サービス・自社のファンと交流を深めることができるツールです。
そして先程の調査結果からも分かる通り、60代以上も含めて非常に高い利用率を誇っているLINEは、さまざまなターゲット層にアピールすることができます。
お客様との1対1のコミュニケーションやアピールが重要になるBtoC/D2Cビジネスでは、ぜひ活用したいツールです。
SNSツールの使い分け②【Instagram】女性を中心に購買意欲をそそるアピールが得意
Instagramといえば、「写真」「おしゃれ」「インスタ映え」というキーワードが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
Instagramは「写真」をメインとしたSNSツールであり、いかに特徴的な写真でアピールできるかが鍵を握っています。
このような写真とともに情報を発信することで、自社のアピールを行います。
したがって、
などの業種がInstagram活用に向いており、積極的にアピールを行っている傾向にあります。
写真に対する「いいね!」が増えたり、関連のハッシュタグがついたり、ストーリー機能で紹介してもらうことで、知名度やブランドが上昇し、新規顧客獲得が期待できるようになります。
またInstagram上で紹介した商品を購入するためのタグを設置できるため、Instagramから通販ショップの商品ページにジャンプさせて購入してもらう、という流れを構築することも可能です。
中にはホームページは持たず、Instagramで集客→ショップで購入(通販/来店)という仕組みを実現している店舗も少なくありません。
SNSツールの使い分け③【X(Twitter)】ノウハウなどテキスト情報メインのアピール
Instagramが写真メインのツールである一方、X(Twitter)はテキスト情報メインのSNSツールと考えても良いかもしれません。
かつて「つぶやく」という言葉があったとおり、短い文字数のテキスト情報を発信することに向いています。
X(Twitter)は、ニュースやノウハウ(ハウツー)など、なにか新しい情報を探したり手に入れることを目的として利用されている傾向にあります。
商品そのものをアピールするだけではなく、関連する知識やノウハウ、スタッフの思い、解決事例、利用事例、エピソードなどをアピールしてユーザーを関心を集める手法が効果的です。
BtoCビジネスはもちろんのこと、独自の技術をアピールしたり、面白い開発秘話を紹介したりなど、BtoBビジネスでも活用できるツールです。
SNSツールの使い分け④【Youtube】文字を読みたくない人向けに圧倒的なアピール力
近年のユーザー動向として、「文字を読みたくない」「能動的に情報を理解することが面倒」という傾向が強くなってきているようです。
たくさんの文字の羅列を見ただけですぐにページを閉じてしまったり、難しいことは深く考えず「どういうこと?」と誰かにすぐに説明を求める人が増えています。
そのようなユーザーに対して、動画によるアピールは非常に効果的です。文字ではなく、音声や画像、図解でわかりやすく教えてくれますし、「見ているだけで」勝手に情報が入ってくるのでとても便利である点が好まれる理由でしょう。
ただし勘違いしがちなのが、企業紹介の動画や商品紹介の動画をそのまま作ってしまうことです。
誰も興味がない会社や商品の動画は関心がなく、求めてもいません。
もしYoutubeなど動画でアピールを行いたい場合には、「ユーザーが求めている情報を提供できる」動画を作成することをおすすめします。
SNSはエンターテイメントであることを忘れない
企業がSNSを活用する際に忘れてはいけないことは
「ユーザーは自分の楽しみのためにSNSを利用している」
ということです。
ユーザーは
を見つけるためにSNSを利用しています。
そこに、自分のことを考えない押し付けがましい企業アピールが突然現れたらどう感じるでしょうか。多くの方は不快に感じると思います。
企業がSNSを運用する際に気をつけたいのは、自社アピールを全面に押し出した自己都合のアピールをしないということです。
SNSはあくまでも利用者であるユーザー第一に考えてユーザーのための情報発信をしましょう。
自社商品やサービスの特長をうまく上記の観点に結びつけることができれば、SNS上で有用なアピールができるでしょう。